サクセス!

「サクセス!(大成功!)」

日曜日の午後、オスカーが声高らかに家に飛び込んできた。
「何羽だと思う?!5羽!全部だ!」

この所、呪文の様に「父の日、父の日・・・」と繰り返していたオスカー。
世間で言う『父の日』とは全く関係なく、
母孔雀が卵を温め始めたのが、父の日あたりだったからである。

卵は全部で5つ。
母孔雀は車の屋根の上に座っているそうで、
ガンガン陽の当たる、とても良い場所とは言えない環境なのだが、
これなら夜、外敵に襲われる心配もないだろう、と
オスカーは自信たっぷりだった。
朝晩関係なく、ジッと辛抱強く座り続けた母孔雀だが、
2週間が過ぎた頃からオスカーのいつもの悪いクセが出始めた。

母孔雀は当てにならない。
卵5つが全滅するのは耐えられないから、
せめて3つを、無精卵に飽きることなく座り続けている雌鶏に抱かせよう。

と言うわけで3週目からは母孔雀が2つ、雌鶏が3つの卵を温めた。
「おかしいなー。そろそろ孵ってもいい頃なんだがなー。
父の日って何日だった?!」
毎日の様に私に、息子達に尋ねては首を傾げる、父鳥より落ち着きのないオスカー。

そしてとうとう、今日待ちに待った瞬間が訪れたわけだ。
「5羽全部孵った!大成功だ!!」
誇らしげに言ってから、ゆで卵を持って母孔雀の元へ駆け戻って行った。
私は内心嫌な予感を感じていたが、放っておいた。

しばらくして戻ってきたオスカーが、私が恐れていた事を口にした。
ヒナ5羽を全て雌鶏の所へ移して来た、と。
去年と全く同じ様に、母孔雀は3週間座り続けた末に
1羽のヒナも育てる事が出来なくなってしまった。
人でなし!
と、口に出かかったが、今回はオスカーにとっても
悩んだ挙句の苦肉の策だ、と言う表情が見受けられたので、
罵ることは控えておいた。
確かに母孔雀に任せたらヒナの生存率はかなり低くなると思う。
車の屋根の上からどうやって下に降ろすのかも怪しいし、
チョロチョロ動くヒナを狙う鷹がグルグル上空を旋回しているので、
いつ襲われてもおかしくない。
さらにオスカーが母孔雀にエサを与えても、
ヒナに分け与えてやろうと言う気配が全くないらしい。
去年はオスカーが手塩にかけて育てたが、
今回はニワトリという、もう少し面影が似た育ての母に託されただけ、
進歩があったと思うしかない。

早速、雌鶏とヒナのスイートルームとなったニワトリ小屋まで行って
写真と動画を撮ってきた。

育ての親の下から顔を覗かせるヒナ

親鶏を籠から出してみると...

産まれたその日に元気よく歩き回るヒナ達
peachicks 2017
1羽だけ、歩きがおぼつかない子がいるが大丈夫か?

ここから全員元気に育ってくれれば良いが、油断大敵である。
成長の様子をまた時々ブログでご報告したいと思う。

おまけ
peacock from window
雨の日に窓から見える風景

去年産まれた2羽の兄弟孔雀と父孔雀が雨宿り。
1年経ってもお父さんの様な立派な尾羽は全くない。
いつ頃に長い尾が生えてくるのかも楽しみの一つである。

骨折

6月4日に学校が終わり、8月半ばまで続く長い夏休みが始まった。
子どもたちは開放感に浮かれ、大喜びだったが
1週間もすると
「ヒマだー」「ヒマだー」
の合唱に変わった。

長男はバスケットボールをしたり、
友達に誘われてショッピングモールや市営プールへと、
私の送り迎え付きで行っていた。
しかし次男はやることがなく、
結局Youtubeはしごからの夜更かし→朝起きれない→ゴロゴロ の悪循環。

だらけた生活に終止符を打つべく、6月最後の週は
子どもたち2人共スポーツキャンプに参加した。
午前中はチームスポーツ、午後にはプールへ、
と一日中活動的に過ごし、夜はクタクタになるので9時には就寝。
やっと生活リズムが整ってきたかな?と思った矢先・・・

長男が足首を骨折。

土曜日に友達と一緒にバスケットボールをしに行き、
ふざけてトランポリンで前転をして着地に失敗したらしい。
バキッ!という聞いたことのない音がして、相当痛かった。
変な方向に曲がった足を自分で直した。
スポーツ施設係員からの連絡を受けて迎えにいったら、
痛みに顔を歪めながら、長男がそう説明した。
最初は脱臼かと思ったが、心配だったので
救急センターに連れて行った。

2年前の悪夢が蘇る・・・

あの時と同じ救急センターで、とにかく待たされた。
レントゲンを2枚撮って骨が折れているとわかった。
「手術をする必要があるかどうか、専門家のいる病院へ搬送して
レントゲン写真を見てもらわなければならない」
と言われ、長男は救急車(らしいが、私は見ていない)、
私は自分の車で別の病院の小児科救急センターへ。

そこでも延々待たされ、ようやく整形外科の先生がやって来て
二人がかりでギプスをはめてくれた。
fracture
今のところ手術は必要はないと思うが、
1週間後にもう一度、整形外科でレントゲンを撮り、
今後の方針を決めよう、と言われた。

朝9時頃、軽い朝食を食べてから一切食べず、
骨が折れた午後1時から痛み止めを一度服用したのみ。
よく我慢したと思う。
ようやく開放されたのは夜9時に近かった。

「首の痛みに比べたら、どうってことないよ」

たっぷり1年かかった闘病とリハビリの日々が辛かった分だけ、
また再び動けなくなっても、あれに比べたら大丈夫、と
言えるくらい強くなっている。
精神的にも相当参ってしまった前回とは違い、
今回は回復に向かって前向きだ。

5月のカード作り

先月に引き続き、またナンシーのお家にお邪魔して
スタンプを使ったカード作りをさせてもらった。

前回はナンシーが前もってスタンプを押し、
全てのパーツを切り揃えて準備しておいてくれたのに対して、
今回は「フリースタイル」とでも言おうか?
ある程度、色の合った紙を数種類グループにして、
それをどう使っていくかは私任せにしてくれた。
スタンプの種類もさることながら、
リボンやその他の道具を駆使すれば千差万別のデザインが作れ、
想像以上にやり甲斐と達成感がある。

カタログやネットからの写真などから、デザインのヒントになる物を探して、
紙の色や質感の組み合わせを確かめつつ、
スタンプを押す場所、または切り取ったピースを貼る場所を吟味。
悩んでいるとナンシーが
「このリボンはどうかしら?色がぴったりよ!」
と、紙にお似合いのリボンを出してきてくれるので、
全体のバランスをまた考え直し・・・
とやっていると、あっという間に時間が過ぎていく。

完成した作品は4つ。
4 cards front
開くとこんな感じ。
4 cards

お誕生日だけでなく、感謝の気持ちや「ハロー」の挨拶カードなど、
色々なメッセージを込めて贈ることができるカード。
お店にはそれこそ沢山の既製品が売っているけれど、
こんなオリジナルもいいのじゃないかな?と思う。

やればやれほどハマってしまいそう。
ナンシーの紙や道具を毎回使わせてもらって申し訳ない気がするが、
「一緒にやってくれる人がいるといいわ!」と、笑顔で言ってくれる。
次回は何か、ランチでも持って行こうっと。

スタンプでカード作り

このところ私の代わりに働いてくれるステイシーが、
きちんと金・土曜日に来てくれている。
(何かと理由をつけては休みたがるので、
そんな時は私が週6勤務になってしまうこともしばしば。)

金曜日は子供たちが学校に行っているので、
掃除やその他、働いてる間に溜まった雑務をこなすのだが、
時々自分の好きな事をして息抜きをしている。

今日はナンシーの家に行ってカード作りをしてきた。
ナンシーはスタンプや関連器具、様々な紙など、
実に膨大な数のコレクションを所有しているらしい。
今回2回目のレッスンなのだが、前回も今回も
親切で段取り上手の彼女がすべてのパーツを準備、
組み立てるだけにしておいてくれた。

厚めの紙を切ってカードの本体にし、
そこに模様が質の違う紙を張り付けたり、
スタンプを押して色を付けるもの、
エンボス加工をするもの、
色々なテクニックを教えてくれる。
次男のお迎えに遅刻するほど夢中になって
没頭してしまったカードをご紹介してみたいと思う。
card flowers
お花の形や中央の丸など、すべてナンシーが切っておいてくれ、
リボンやスタンプしてある言葉のパーツなどを
どの場所に貼るか、などを考えて組み立てる。

card spring
お花のスタンプを色鉛筆で塗り、
特殊なペンでなぞると水彩画の様になる。
ウサギがとっても春らしい。

card kanji
花柄の和菓子の包装紙を取っておいて、
上からスタンプを施したナンシーのセンスあふれるセンターピース。
彼女は幅広のリボンを片側に貼っていたが、
私はこの模様が隠れてほしくなくて、角に配置してみた。
よく見ると「日」と「出」が入っている個性的なリボン。
card kanji2
内側はこんな感じ。
金色のエンボス加工スタンプはナンシーがしておいてくれた。

card thanks
豪華なレース編みのスタンプに、パールを貼ったもの。
内側はこんな感じ↓
card thanks2
ナンシーはこのバラ2つをカードの表の
レース・スタンプの上に貼っていた。

card elephant
花模様の紙にゾウのスタンプを縁だけ押して、
背中の部分をエンボス加工に。
さらにストーンを目や背中に貼ってエスニック風に。
これまたナンシーのアイデアが光る。

card chicken
ナンシーが最近買ったばかりのニワトリ・スタンプ。
我が家に沢山いる奴らに似ているような?
card chicken2
内側はこんな風に仕上げてみた。
「これはオスカーにぴったり!」と、ナンシーのお墨付き。
カードに凹凸を付ける型と、それをプレスする機械があり、
それを使って背景が草原ぽくなっている。
ほんと、いろんなものがあるなぁ・・・と感心。

card frog
こちらも凹凸のある型にインクをつけてプレスした紙。
花吹雪の様な名前がついていたけれど、
私は色といい、カエルといい、柳や梅雨を連想してしまった。
card frog2
内側には2枚目のウサギカードに使ったお花の上部を
池の形に切ってもらい(プレス機で切れる)、スイレン風に。
あえて色は塗らずにシンプルが良いかと思った。
カエルは立体的にできるシールで貼り付け。
数字のスタンプは丸を付けるか、色を塗ることで、
何歳の誕生日にも贈る事ができる、粋なスタンプ。

色々なお喋りをしながら作業をし、
ランチまでご馳走になって大満足な日だった。
「もっと定期的にやりましょうね!」
とまで言ってくれるナンシーに大感謝。
こんなひと時が、また次へのエネルギーをくれる。

長男のバスケットボール1年目

2016年夏、なぜか突然興味をもって、
バスケットボールを始めた長男。
最初は一人で黙々とボールをドリブル、ハンドリング、
またランニングや筋トレなどの基礎トレーニングをやっていた。
その真剣さにほだされたのか、バスケットゴールがほしいといった時、
オスカーは二つ返事でOKしてくれた。
それから毎日、学校から戻るとゴールの所で
汗だくになるまでひたすらシュートしたり、走り回っている。

自営業の車屋には2人の整備工が務めてくれている。
その一人、ホゼはとても無口で、もう12年くらい働いてくれているのだが、
Hi! Bye! などの挨拶以外で交わした言葉は、本当に数えるほど。
プエルトリコ人で英語があまり得意でない、というだけでなく、
仕事も早いし、いつもすごい速さで歩いているので、
(オスカー大絶賛の働きぶり!)
私などにとっては、近寄りがたい雰囲気たっぷりなのだ。
そんな寡黙なホゼが、ある日1人でバスケットをする長男から
突然ボールを奪い、体当たりでマンツーマン対決を挑んできた。
ホゼは身長がかなり高く、屈強な大人だ。
もちろん長男は圧倒され、しかも本気で押されたり、
なぎ倒されたりで泥だらけになり、ふくれっ面で戻ってくることもあった。
しかし仕事が終わって疲れ切っているはずのホゼが
ちょくちょく相手になってくれたお陰で、
日を追うごとに長男の腕は上がっていった。
20点先取の試合で長男が勝ってしまうと、
More! とホゼが怒鳴り、また長男が30点に到達すると、
More! と掛け声がかかって、40点、50点・・・
「最後、ホゼは立てなくなってたよ!」
と満面の笑みで長男が戻って来るようになった。
(1ゴール1点でやっている試合である。
朝8時から昼休みも取らずに4時まで働いてから
ここまで動けるホゼ、すでに超人。)

中学校ではバスケットのチームがあるとのことで、
長男は入部したい一心で練習していたのだが、
15人定員の所になんと200人以上の生徒が入部を希望。
入部テスト当日は体育館を埋め尽くすほど群れており、
まだまだ初心者の長男はもちろん入部できなかった。
(後で知ったことだが、長男の通う中学は
ここ数年、毎年市内ナンバー1に輝いている強豪校だった!)

そこで初心者でも入れる市が運営するバスケットチームに入部。
年齢で分けられており、似たり寄ったりの体格の子供たちが10人。
そのうち女の子は1人。
アジア系は我が子1人。
白人も1人。
他はすべて黒人の男の子達だ。
やはりバスケットボールは黒人の少年達にとって人気のスポーツ。
NBAに入るのを夢見ている子も少なくないのだろう。
長男のチームメイト達も、バスケ経験者ばかりの様子。
小さい頃からストリートバスケットで鍛えられているのか、
パス回しもお手の物だし、何より思い切りがいい。
見ていてドキリとする様な体当たりプレーが多く、
跳躍力、瞬発力、どれをとっても長男がついて行けるのか・・・と
心配になるほどだ。
しかし、黙々と練習していた長男は、技術面ではなんと!
引けを取らないどころか、チームメイトよりも上手に
ボールを頭の周り、腰の周り、膝の周りなどでクルクル回したり、
両足の周りを8の字にヒュンヒュン回してる。
これには親の私がビックリ!

コーチになってくれたのは地元高校の教頭先生で、
その学校でバスケ部のアシスタント・コーチをしている黒人の男性。
自分も高校、大学とバスケをやっていた、との事で、
ボールさばきも上手いし、子供一人ひとりの個性や長所を見抜き、
的確なポジションをあてがって、一生懸命指導してくれた。
そしてコーチのお父さんも補助役として練習に参加してくれた。
このおじいちゃん、30年以上バスケのコーチをしているそう。
最初は動きに迷いがあった長男を、時にチームから引き離し、
別のゴールの下でマンツーマンレッスンをしてくれたり、
帰る前には長男を呼んで「次回までにこの練習をしておきなさい」と
個人的に課題を出してくれたりと、とにかく目にかけてくれた。
「あの子はいい子だ。よくいう事を聞く。素直ないい子だ。」
と、私にも何度も言ってくれた。

個性的で元気のいいチームメイトと約2か月半の間、
週2回の練習と、毎週土曜日の対外試合をやった。
近隣の小さな町まで遠征に出掛けるのも新鮮で、
子ども達より白熱する親たちの応援合戦も面白かったし、
試合ごとに負けても勝っても、尊い経験を重ねる長男は、
みるみる成長していくようだった。
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シーズンが終わった翌週末、父兄の企画でコーチを招いて、
公園でピザパーティーをした。
最後にコーチがメンバー一人ひとりにコメントをくれた。
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「このプレーヤーは誰より一生懸命で、練習でも試合でも、
来た時にはいつも準備万端、全力で臨んでいた。
チームが負けていたって平静、クールだ。
この先も同じ様に真面目に練習に励めば、
きっと明るい未来が待ってるに違いない!」
というのが長男への言葉。
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コーチと

きっとまた来年、バスケットのシーズンになれば、
ここにいる子供たちにも再会できるかもしれない。
皆、それぞれ魅力的で、ここには書き尽くせないくらい、
私自身の中にも強烈な印象を残してくれた子供たち。
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少年たちよ、大志を抱け!!