小さな命

ニワトリの産卵・孵化ラッシュで、大賑わいの我が家に
今度は一味違うヒナがやってきた。
baby wild birds
全長1.5cmほどしかない、何の種類かわからない野鳥のヒナである。

別の場所から移動してきた車のフッドを開けたら、鳥の巣があった。
巣の中には、小さな卵が4つ。
メカニックが作業をしている傍らで、1羽目のヒナが誕生した。
残りの卵も孵るだろうと、巣を孵化機に入れた。
数時間後、また1羽、そのまた数時間後、1羽。
合計3羽のヒナが卵から孵った。

ネットで検索してみると、野鳥のヒナを育てるのは、とても大変らしい。
20分ごとにエサをやらなければならず、
人間が育てようとしても、死なせてしまう場合がほとんどらしいのだ。
自然の中でヒナを見つけたら、触らずにそっとしておくこと。
さらに野鳥を飼うことは法律で禁じられている、とある。

しかし、このヒナ達を放っておいたら100%死んでしまう。
母鳥は、巣がうちの車屋へ移動してしまったことなどわかるはずがないし、
小さな小さなヒナを見殺しにするのは忍びなく、
私がエサをやる事にした。

最初はヒヨコ用のエサを水で柔らかくして、少し与えた。
その後、たんぱく質が必要、とネットで読んだので、
卵の黄身に少し水を混ぜて与えた。
それからウーパールーパー用に買い置きしてある冷凍赤虫をあげると
上手に飲み込んでくれた。

3日目の朝、私が起きる前に、2羽のヒナが死んでいるのを、
旦那が発見した。
残り1羽にせっせとエサを与えたが、同じ日の午後に動かなくなっていた。

きっとダメだとは思っていた。
母鳥の代わりなど、到底できるはずがない、という理屈も頭ではわかる。
それでもやっぱり、ショックだった。


1週間ほど前から、またアンジェラが卵を温め始めた。
angela in pot
玄関脇にある、ピース・リリーの鉢植えの中に座るアンジェラ。
何を思ったか、鉢の中に卵を産むようになり、
卵が貯まってきたある日、温める決心をしたらしい。

人間がバタバタ出入りしても、犬が近くに来ても、
微動だにしないアンジェラ。
旦那が卵に手を伸ばすと、つついて猛反撃。

暑くても、虫がブンブン飛び回っていても、
まるで修行僧の様に耐え忍んでいる。
1日に1度か2度、水とエサを探し、
羽を伸ばしに10分ほど歩き回る以外は、ずっと座っているのだ。


「人間の子育ては大変だ。
鳥みたいに卵を産んで、座っていれば孵ってくれたらどんなに楽か。」

そんな風に思っていたけれど、鳥の現実は厳しい。

実際に育てようとしてわかったけれど、
短期間で巣立つ鳥は、発育が早い分、世話の要求も凝縮されるのだ。

育児に疲れて不平が出そうになったら、
手のひらに乗っていた、あの小さなヒナのぬくもりを思い出そう。
wild bird

花盛り

フロリダは暑い。
しかも大雨のせいか、巨大な蚊が大発生。
いつもは刺されない旦那も
「うわぁーー!」と言いながら家の中に駆け込んでいる。

過ごしやすい季節ではないが、
フロリダが暑いのは覚悟できていること。
また、冷房設備も完備されているので、まだしのげる。
しかしアメリカの中央部や東南部、
さらには北の方まで、記録的な猛暑が続いているのはどうしたことだろう?


2ヶ月ほど前、池の周りに小さな花壇を作った。
garden
大規模なガーデニングを夢見ているが、
初心者であるうえ、ズボラな私は小さな花壇でも
なかなかうまく手入れできないのが現実だ。

蝶やハミングバード(ハチドリ)が好きな花を買ってきて、
その周りにバジルやラベンダーなどのハーブ類も植えてみた。

「土を買うのはバカらしい」というわが旦那の方針で、
鉢植えであれ、花壇であれ、自分の庭にあるものを使うのが
我が家のやり方である。
しかしフロリダは砂地で土に栄養が全くなく、
何かを育てるなら、肥沃な土や肥料を足すのが普通だ。

そこで雨が降り続いた週を狙って、旦那が大量の木の枝を燃やした。
数年前にハリケーンで倒れた大木を庭に運び込んで以来、
敷地の四分の一ほどが、枯れ枝の山で占領されていたのだ。
それがすっかりなくなった今、庭がずいぶん広くなったように感じる。
さらに、その灰を花壇や鉢植えに使うのだから、これこそ一石二鳥というものだ。

その灰のお陰か、植物はなかなか元気に育ってくれている。
ラベンダーは何度やってもすぐ枯れてしまうので、
フロリダの気候に合わないのではないか?と思うが、
バジルはグングン伸びてきたし、その他の花も何度も咲いてくれている。


車屋の古いお客さんで、植物を売るお兄さんがいる。
我が家の近くで毎週やっているファーマーズ・マーケットに
時々出店しているらしく、その帰り道に植物を見せに、
うちの車屋に立ち寄ってくれることがある。
「売れ残りだからお金はいらないよ!」と、
何鉢もプレゼントしてくれる、ものすごく気前のいいお兄さんなのだ。

今年はお兄さんからもらった植物のお陰で、デッキが華やいでいる。
その中でも個性的なのがこちらの花。
wiredflower
ラベルを失くしてしまったのでなんと言う花かわからないが、
ぶら下がったつぼみはナマコのよう。
さらに開いた花のオドロオドロしさに絶句してしまった。
じっと模様を見つめていると寒気がしてくる。
買った時は花がついていなかったけど、
こんなものがぶら下がろうとは、夢にも思わなかった
(いや、夢に出てきたら絶対うなされる)。

deck1
この紫の花もなかなかエキゾチックな味を出している。
deck2
全体像はこんな感じでデッキに絡み付いている。
この植物、蝶がたいそう気に入った様子。
卵を産みつけるらしく、見る度に赤い毛虫が何匹もモソモソしている。
毛虫が食べるので、葉っぱは穴だらけ。
見栄えはよくないが、私は放っておいている。
毛虫がサナギになり、そして蝶になる過程を、子ども達と一緒に観察できるし、
台所で皿を洗いながら、蝶が舞っているのを見るのも
私にとって幸せな時間だからだ。

そして昨日は、うれしいビックリがあった。
庭の池に蓮の花が咲いたのだ。
lotus
去年、苗をホームセンターで買ってきて池に投げ込んだが、
最初の夏は花をつけなかった。
冬は水面下で無事、寒さをしのいでくれたらしく、
最近、葉っぱが威勢よく伸びてきたなぁ、と
思っていた矢先のこの開花。
神々しいまでに美しい、まさに天国の花。


「世話をしている」とは言っても、
水をやったり、時々肥料を足したりするくらいが、
私にできることである。
日々、植物から受けている癒しの恩恵は
比べ物にならないくらい大きい。