ベタのブリーディング

病気に罹ってしまったベタの看病をしている間に、
別の場所では別のベタが別の病気を患っていた。
恋の病である。

派手なラテ男と、愛娘・ベビ子が恋に落ちたのだ。

何度かお見合いを繰り返し、
お互いに興味津々なのを確かめつつ、
少しづつ2匹を接近させていった。
lateo meets babyko
少しだけ一緒にしてみる!
(でもケンカが怖いので、すぐにラテ男は容器へ戻す。)

ベビ子のタンクに、容器に入れたラテ男を浮かべて数日後、
朝カバーを取るとラテ男の容器の縁に、泡が!

ベタのオスは卵を乗せる泡を沢山作り、それが巣となる。
ラテ男が泡を作り始めた、という事は、いよいよ準備ができたのだ。

女の園に残っていたスケバンをお引越しさせ、
ブリーディング・タンクを準備。

水は浅めにして、水草を入れる。
メスが隠れやすい場所も作った。
温度調節のためにヒーターも入れておく。
そこにラテ男を入れてみた。
落ち着いた頃に、(内心)恐る恐る、ベビ子を放す。

ラテ男が追い掛け回すのではないか?
Breeding tank
と心配したが、お互いをチョロチョロと行きつ戻りつ、
仲睦まじい雰囲気。

ラテ男は翌日から泡を作り始めた。
ラテ男バブル
ポコポコと口から泡をだし、水槽の縁に沿ってためていく。
ラテ男バブル3

作業の合間にベビ子を見ては、やる気を奮い立たせ、
また作業に没頭する。

ベビ子は時々、確認するように巣に近づき、
「まだ~?」と言わんばかりの雰囲気。
心なしか、腹部がさらにふくっらした様だ。
Breeding tank3

言わずと知れた司令塔・エス姫には逐一報告。
子ども達も期待でいっぱい。


そしてある土曜日の朝、始まった。

優雅でロマンチックなベタの交尾。

オスがヒラヒラの体を半分に折り曲げてメスを包み込み、
メスが卵を産む。
午前中ずっと見守ったが、何度やっても卵が出てこず、
不安になってエス姫に連絡。

すぐに飛んできたエス姫に観察をバトンタッチして、
私は数時間仕事場へ。

3時を回って帰宅してみると
「今終わった所」とエス姫が。

ラテ男は私が仕事に行っている間に勝手を知ったのか、
ベビ子の体をギュッと包み、
ベビ子からポロポロと卵が零れ落ちたのだという。

しばらく失神して、ハッと我に返り、
またラテ男と舞を踊りながら、次々に卵を産んでいった。

そう、フロリダ娘は一番見たかった産卵シーンを
丸々見逃してしまったのだ。

(エス姫撮影)

「ガッカリしてる暇はないですよ!」とエス姫。
そうなのだ。
2日後には稚魚が孵り、その先1週間は俗に
『魔の7日間』と呼ばれる。
フロリダ娘は果たして、乗り切れるのか!?

ベタの白点病

ベタが病気になった。

白点病は、白い小さな粒が魚の体につく病気で、
魚類の病としては珍しくない。
この粒はパラサイトである。
エス姫情報によれば、1日で200倍にもなり、
水中をさまよって、引っ付く事が出来そうなホスト(魚)を探す、
恐ろしい奴らだ。
数粒の白点がついたと思ったら、翌日には体中にびっしり、
なんてことも珍しくない。


最初はシナ子の体にポツポツと白い点が出た。
キャンドルホルダーの仕切りはあるが、
同じ水をシェアしていたトイレ男にも、
数日後、白点が出始めた。

さらにはエス姫のお宅へ行ったももこも。

白点病は早いうちに薬浴をさせ、
毎日の水替えをしていれば回復する魚が多い。
根気のいるさぎょうではあるが、
大事なベタを失ってなるものか!と
私もエス姫も必死の看病を続ける。


せっかく相性ピッタリかと思われたシナ子とトイレ男も、
病に倒れてしまっては惚れたはれたの色恋どころではない。
しばらくは隔離して、それぞれの回復を待つ。

だいぶ回復した頃、シナ子をキャンドルホルダーに戻す。
ベタは葉っぱなどを入れてやると、そこで休む、と聞き、
ウォーターレタスを浮かべてみた。
すると・・・
Sinako out
葉っぱの上でお昼寝するシナ子

魚は体が乾くといけないのでは?
と不安になるくらい、見る度に葉っぱに飛び乗って寝ている、
おかしなシナ子。

しかし、これは今考えると、
キャンドルホルダーの中に残っていた白点病のパラサイトから
逃れるためだったのかもしれない。
それを理解できなかった私は、
乾きを心配してウォーターレタスを取り除いてしまった。

「シナ子、あまり水面に上がってこないなぁ」と思い、
別容器に取り出してみると・・・
またもや白点病が体中に!

急いで薬浴を始めたものの、気づいてあげるのが遅すぎたらしく、
シナ子は翌日、死んでしまった。

いくらベタが強靭な魚だからと言って、
やはりフィルターのない容器で簡単に飼えるわけではない、と痛感した。
我がキャンドルホルダーは色付きガラスで、
中がよく見えず、魚の色や状態が分かりにくいのもいけないし、
幅が薄いのに深いので掃除もしにくい。
水槽には不向きなのだ。


他のベタを病気にさせてなるものか。
と、決意を新たにしたフロリダ娘はついに!
ブリーディング(繁殖)に挑むのだった。

エス姫の誘惑

メラメラと一気に燃え上がってしまったベタ熱。
こんなにまでエスカレートしたのには理由がある。

実は毎日、この情熱の炎に薪をくべる人物がいるのだ。
炎の糧は美しい写真であったり、
ベタ繁殖のヒントであったり、
ペットショップから生中継のストック状況情報であったりする。

その全てをせっせと発信しているのが、誘惑の代名詞・エス姫である。

綺麗な容器に水草アレンジメントをしよう、と私を誘い、
一緒に西へ東へ奔走し、キャンドルホルダーを見つけた、
あの、エス姫である。


彼女の終わりなき誘惑に、ものの見事に屈し続けるフロリダ娘。
ハッと気づけば、これまでに8匹のベタを買ってしまったことになる。

おかしい。
何かがおかしい。

と心の何処かで思ってはいるのだが、ベタ熱には抗えない。
いや、エス姫の誘惑には勝てないのだ。

当のエス姫は、と言えば、
kitsutsuki
「きつつき」を大事に大事に育てている。
エス姫のベット脇のサイドテーブルに置かれた、
小さなガラス容器に入っているきつつき。

エス姫にベタ惚れのきつつきは、始終熱い視線を送り続ける。
エス姫が視線を感じて振り向くと、他の誰でもなく、
きつつきその人(いや、魚)が、じっと見つめているのだそうだ。
無視していると、きつつきは水面に口を出し、
「チッチッチッチ!」と大きな音でエス姫を呼ぶ。
エス姫が「ワシャ!ワシャ!」と指先を動かすと、
じっとしていたきつつきがヒレというヒレを動かして踊る!
と言うのだから、何とも信じがたい話である。


その溺愛されたきつつきが、我が家に遊びに来た。
早速容器ごと、女の園へ。
kitsutsuki2

ももこか? シナ子か?
kitsutsuki4
はたまた、スケバンがお好みか?
kitsutsuki5

エス姫に魅入られたきつつきは、
同種のメス・ベタにあまり芳しい反応をみせない。
怖がって隠れたりしている。

それでもお互い、一番興味を示した様子のももこを
エス姫に託して、きつつきとの相性を見る事にした。
kitsutsuki3
さて、こちらのカップルはどうなるか?

<写真協力:エス姫>

女の園

美男子ベタが2匹も到着し、一気にテンションが上がった我が家(と言うか私)。
愛娘・ベビ子とお見合いさせた反応も、期待以上にハッキリと出るので面白い。

しかしベビ子はほんの1か月前までベビーだったのだ。
まだまだカップリングには早いのでは?

トイレ男とお見合いさせた時にはハッキリとした「拒否線」を出したベビ子。

情報によれば、メスは好きな男子を見た時に
「結婚線」なるもの出すそうなのだ。
「拒否線」が頭からしっぽに向かう横線なのに対し、
お見合い8

「結婚線」は背びれから腹に向かう縦じまらしい。

そう聞くと、この結婚線を見てみたくて仕方がない。
それに完全に嫌われてしまったトイレ男の伴侶を探してあげなければ・・・。

そんな(こじつけ的)使命感に燃えて、またまたペットショップへ。
すると!
なぜか、ベタ・セールをやっていた。
かわいらしい乙女が1匹2ドル数セント。
安い!安すぎる!
(こ、これは誰かの陰謀なのか?)

まるでオス・ベタがのり移ってしまったかのように目移りしてしまい、
結果、メス3匹を購入。

ピンクが可愛いももこ、
少々、気性の荒い真っ赤なスケバン、
そして次男のお気に入りシナ子。

早速自宅に戻って、10ガロンの水槽へ容器を浮かべる。
そして衝動を押さえ切れず・・・
Girls1
集団お見合い開始。
Girls2

ラテ男、どの子がお好み?

シナ子結婚線
すると淡いブルーのシナ子の体に異変が!

見事な「結婚線」!
これまたハッキリと出たので感動である。
カップル成立か!?

しかし気に入ったからと言って、すぐに一緒にはできない。
オスが準備をするのを気長に待つ必要があるのだ。
Girls3

というわけで、しばらくは女の園。

Kids Kicking Cancer

長男の通う空手道場が、地元のチャリティーイベント、
Kids Kicking Cancerで演武を披露。

Kids Kicking Cancerは、地元の病院を基盤として行われているボランティアプログラム。
癌や白血病などの重病と戦う子ども達に、武道の呼吸法や集中法を教え、
痛みや恐怖と戦う勇気を与える事を目的とした活動である。
今回のチャリティーイベントでは地元の6グループが参加した。
合気道、空手、カンフーなど、多彩な武道団体が集まり、それぞれの演武を披露。

息子の通う道場では空手だけでなく、色々な武術を教えている。
15分間に様々なデモンストレーションを準備して臨んだ。


まずは先生2人による空手・組手。


次に子ども達による型の演武。


自己防衛のテクニック。


ブラジリアン柔術。


長男は過去数回の大会に出場した際に、全く緊張したそぶりを見せなかったが、
今回は大勢の観客の前で一人でする棒の演武があったため、少々固くなっていた。
”I have buttflies in my stomach...”
(お腹の中をチョウチョが舞ってるよ・・・)
と、上がっている様子を英語で吐露。

が、実際の演武は上出来であったと母は思う。
先生にも労いの言葉を頂き、嬉しそうにしていた長男。

と、さらなるご褒美が!


長男の写真が地元新聞に大きく載ったのだ。
「有名人だー!」と長男、大喜び。
フォト・ギャラリーはウェブ上で見る事が出来るので、ぜひご覧あれ!

ブリーダーの真似事

我が旦那は、カナリアのブリーダー。
我が長男は、ウーパールーパーのブリーダー。
そしてフロリダ娘は・・・

ベタである。
もう、ベタの事しか頭にないのである。

ベビ子が立派に育ち、お腹がぷっくりと膨れてきた。
ただの食べ過ぎ?という気もしないでもないが、
成熟度はかなりたかいのではないだろうか?という気もする。

そこで派手な美男子・ラテ男と「お見合い」させてみる事にした。

ベタは『闘魚』という異名を持つ。
闘争心が激しく、オス同士は同じ水槽に入れておけない。
メスでも気に入らないと、死ぬまで攻撃する。
そんな魚だから、安易に2匹を同じ水槽に放り込んでしまうことはできない。
まずはこんな風にして、お見合いをさせるのだ。
お見合い

透明なプラスチック・ケース越しに視線を交わす2匹。
お見合い2
ラテ男は少々、尻込みしている。
お見合い3
な、なに!? 誰!?

ド派手はくせに、なかなかの小心者の様だ。
ベビ子は甘やかされて育ったせいか、
堂々とした落ち着きっぷりで興味津々。

翌日、今度はベビ子の水槽に、ラテ男を入れてみた。
お見合い4
ベビ子はプラ・ケースの周りをウロチョロ。

ジーーーーーッ
Omiai5.jpg
ラテ男、ものすごく動揺している。
(こりゃあ、かなりのウブだな・・・)


そこで今度は真打・トイレ男登場。

見て見て~!
Omiai6
なかなかのアピールっぷり。


ところが!


トイレ男を水槽に入れて間もなく、ベビ子に異変が。

イヤ!
お見合い7
あたし、イヤッ!
お見合い8
お見合い9
もーーーー!穴があったら入りたいっ!

ベビ子の体に横線がハッキリ出ているのが見えるだろうか?
これは「拒否線」と呼ばれるもので、
メスが気に入らない相手を見ると出す線なのである。
(その他にもストレスがかかると出ることもある。)

このハッキリした意思表示!
魚とは思えないほど感情が伝わってくる。
我が家のカナリア顔負けのソープオペラぶりだ。

面白いことにラテ男を見た時には拒否線が全くでない。
期待通り、ベビ子とラテ男はくっついてくれるのか?
しかしラテ男は、かなり腰が引けている。
彼をヤル気にさせるには、一体どうしたらいいのだろう?

ブリーダー・フロリダ娘の葛藤は、始まったばかりなのであった。

<つづく>

我が家のベタ 紹介

ベタの魅力に憑りつかれてしまったフロリダ娘。

3匹目に我が家にやってきたのはベビ子(メス)。
ベビ子
この子をペットショップで見つけた時は、小さな稚魚だった。
稚魚は2ドルと安価で売られているが、
性別も分からなければ、色もまだハッキリしないので、
ある意味、賭けである。
ベタの魅力である長いヒレはオス特有で、
それに比べるとメスは平凡な形なのであまり人気がないのだ。
一番色味の面白くなりそうな子を選んだ結果、
やはりメスではあったが、なかなかのベッピンさんに育った。
ベビーから育て上げたのでベビ子と命名。


ベビ子を育てている間に、最初の2匹が死んでしまった
ここで挫折してしまっては、可哀想なメスが残るだけ。

というわけでまた、ペットショップへ。
たまたまセールをしていたので盛り上がって2匹購入。
トイレ男
少々見にくいが、こちらがトイレ男(オス)。
とても残念なネーミングになってしまっているが、
閃かないのと、タンクがトイレに置いてあるのでこのあだ名で呼んでいる。
全身は青緑で半透明ゴールドのエレガントなヒレが美しい。

そしてこちらのド派手野郎はラテ男(オス)。
ラテ男
情熱的なラテン男子のイメージで命名。
まるで誰かが絵具でペイントしたかのように、
青と赤と白が絶妙な割合で入っている美男子。

このオス2匹を迎えた頃には、ベビ子の体色がだいぶハッキリしてきた。
なんだか、ラテ男にぴったりではないか!


ここら辺で勘のいい読者の方はお分かりだろう。
そうなのである。
フロリダ娘はベタの魅力に憑りつかれ、
ただ買うだけでは飽き足らず、
ブリーダーを目指すことにしたのだっ!

というのは少し大袈裟であるが、せっかくオスとメスが揃ったのだから、
繁殖を試みてみよう、というわけだ。

ベタの生殖・産卵行動は非常に珍しい。
魚類は基本的にメスが卵を産み、オスが精子を振りかけて受精する。
これは流れ作業的であり、そこに魚ペアの愛を見出せる人は
あまりいないだろう。
しかしベタのそれは、あまりに情熱的で官能的、且つ美しい。
ネット上に動画が沢山出回っていると思うが、
あえてここに張り付けたりせず、
ぜひ、我が家のペアの感動シーンが録れ次第、このブログで紹介したいと思う。

と言うわけで、次回はブリーダーの真似事について。

<つづく>

『スモール・アクアリウム』その後

前回書いた『スモール・アクアリウム』。
1か月以上が経過し、色々と変化があった。

このタンクはキャンドルホルダーであるため、
ガラスに暗い色がついていて、
中が見えにくいのが難点であったため、
アクアリウム・ライトを購入した。
plant tank

キャンドルホルダーに置いた球根は
plant1
少しづつ成長し・・・
plant2
こちらも・・・
plant3
順調だ。

植物が順調な反面、ベタは残念な結果となってしまった。
青いベタは元気がないなーと思い、
ろ過装置のついている大きい水槽に入れたら行方不明になってしまった。
他にも小魚が入っていたけれど、
外敵になりそうな生き物は入っていなかったので不思議で仕方がない。

そして白いベタはなんと、溺死してしまった。
魚が溺死!?
と思われるかもしれないが、ベタは口を水面に出して呼吸するのだ。
もちろん魚なのでエラ呼吸もしているのだが、
60%の酸素は水面呼吸から取り入れているらしい。
斜めに入れてあったキャンドルを置くための段の、
一番下の隙間に入ったはいいが、出られなくなってしまったらしく、
私が帰宅したら溺れてしまっていた。

さすがにガッカリ。
しかしベタの魅力に取りつかれてしまった私は
諦めるどころか、再挑戦、再々挑戦を試みるのであった。

<つづく>