孔雀のその後

我が家に孔雀がやってきたのは、かれこれ2年前になる。
以来、ニワトリ、七面鳥、そして犬のボボと仲良く一緒に暮らしてきた。
bobo and birds

変化が起こったのは、イランから戻ってすぐの事。
隣のおばさんが「ちょっと話したいことがある」とやってきた。
留守中に何か問題でも?とドキドキしていると、
「しばらく前からうちの納屋の上に孔雀が座ってんだよねー」と言うのだ。
大興奮したのはオスカー。
早速おばさんに案内してもらって、隣家の納屋の上に座るメスの孔雀を確認。

傾斜はそれほどないけど、卵が滑り落ちないとも限らない。
あんな場所に産んで、タカやフクロウに卵が襲われるんじゃないか?
と、オスカーはソワソワと気をもんでいた。
「イランに行っている間大丈夫だったんだから、大丈夫だよ」
という私の声も耳に入らぬ様子。
翌日には長男を従えて、隣家の裏へ行き、
卵が転がってしまわないようにと、滑り止めの木や土を
(勝手に)屋根の上に乗せる作業に入った。
ところが雨どいに足を掛けようとして踏み抜き、
梯子から真っ逆さまに転げ落ちた。
落ちる途中で、下で梯子を支えていた長男の顔を蹴り飛ばし、
頭から顔まで泥だらけになったオスカー。

余計な事をする人間をあざ笑うかのように、
ママ孔雀はその数日後に無事、卵を孵した。
3羽のヒナの誕生を確認したお節介な人間は、と言えば
性懲りもなくまた、ソワソワ。
「母鳥が自分ばかり食べてヒナに餌を運ばない」
「ヒナをどうやって下ろすんだ」
孵化後2日目に、巣を覗きに行くとヒナが2羽になっていた。
もう居ても立ってもいられず、ヒナを家の中に持ち帰るオスカー。

これにはさすがに私も怒った。
3週間も座り続けたママ孔雀からヒナを横取りするなんて!
非道にもほどがある!
しかしオスカーはガンとして譲らなかった。

今まで我が家では鶏卵を孵化装置で温めてヒナを育てたり、
七面鳥のヒナを育てたこともあった。
しかし七面鳥のヒナは母鳥が育てても、人が育てても、
鶏に比べて生存率がずっと低い。
これが七面鳥だからなのか、大きい鳥ほど育てにくいのかはわからない。
しかし私は、苦労して卵に座り続けた母親にどうしても同情してしまい、
生き延びるかどうかわからないのだから、母に委ねるべきだと思ってしまうのだ。

オスカーがヒナを入れたのは、なんとカナリアのケージだった。
peacock babies
ケージの下の方でピーピー鳴きながら歩き回るヒナ達。
上の方では突然の闖入者に慌てふためき、飛び回るカナリア達。
無理もない、カナリアよりも孔雀のヒナの方が図体はでかいのだから。
それでもヒナ達はすくすく育ち、しばらく経つと親鳥(?)を真似て
止まり木の上にピョン!ピョン!と飛び乗ったり、
夜は止まり木の上で上手にバランスを取って眠るようになった。
カナリア達がいよいよ迷惑そうになってきた頃、
ヒナ2羽は隣のケージに移された。
その時も親を探してしばらくは大騒ぎ。
やがてオスカーはヒナ達を外の鶏小屋に移し、
生後2か月後ほど経つ頃には庭に放し飼いにした。
peacock babies2

現在7か月ほどになるが、すっかり親鳥と同じ大きさになった。
同じ孔雀同士わかるのか、両親と4羽揃って庭を闊歩している。
four peacocks
オスかメスかは謎だったが、最近背中の羽が少し色づいて、
長めになってきたので、どうやら2羽ともオスらしい。
peacock babies3
温かくなって来た最近は、尾羽を立て広げる
孔雀らしい仕草もするようになった。

このヒナ達、今でもオスカーの手からゆで卵を食べるそうだ。
「忠誠心だなぁ」と自慢げなオスカー。

梯子から転げ落ち、母鳥からヒナを盗み、
それでも「母性愛」ではなく「忠誠心」を感じる、その心。
男冥利に尽きる、というのか・・・。

我が家の動物園は、まだまだ拡張し続ける様だ。

フロリダで一番小さな水族館 2017 <後編>

フロリダで一番小さな水族館、近況報告の後編である。
(前編はこちら
長男、とうとう手を出してしまったのだった・・・

海水水槽!

淡水よりずっとメンテナンスが難しいと聞いていたし、
当然お金もかかるので、私はアレコレ理由をつけて、
延ばせるだけ先延ばしにしていた。
しかし、やはり来る時が来てしまったか、という感じだ。

発端はエイがほしくてたまらなくなった事だった。
しかし色々と調べてみると、先日ご紹介したアロワナ同様、
フロリダではほとんど全ての淡水エイが所有禁止となっている。
地元のアクアリウムショップのお兄さんにその話をすると、
長男の手を取らんばかりの勢いで言った。
「僕も飼えるものならアロワナと淡水エイが一番飼いたいよ」
(なんでこんな輩がゴロゴロいるんだ!?)

「海水は考えたことあるかい?
ない?
怖がることはないよ。
メンテナンスは淡水とそんなに変わらないんだから。」
そう言われた時の、長男の表情はまさに『目から鱗』。
海水エイなら選択肢が色々あるのだ。


時を同じくして、隣の家の庭に水槽が放っぽり投げられていた。
しばらく眺めていたが、一向に使われる様子もない。
オスカーを送り込んで、格安で手に入れることができた。
ところが、運んできてみるとガラスに大きな亀裂が入っている。
車のフロントガラスを入れる業者のおじさんに相談、
特注ガラスと張替えをお願いし、待つこと数週間。
ついにガラスが取り替えられたが、
シリコンが完全に乾くまでさらに10日間かかった。
そしてようやく長男の部屋に75ガロン水槽を設置。
salt tank2

「母は海水の事は全く分からないし、調べる気もないからね」と
宣言してあった。
水槽のろ過装置一式の設置から、
海水の調合、バクテリアの混ざった砂を選んだりと、
全ての作業を長男が調べ、自分でセットアップ。
salt tank1

内心「本当にだいじょうぶなのだろうか?」と疑っていた私は、
アクアリウムショップで水質検査してもらった時、
「問題ないよ」と言われている長男をみて心底驚いた。
長男よ、またまた軽々と、私を超えたな・・・。
salt tank3

水の濁りもとれたのでサイクルのために
海から捕まえてきた魚やエビを入れたり、
salt tank4salt tank5
小さな魚を2匹買って入れたり。
こうして水槽立ち上げから待つこと約1か月。
とうとうショップから連絡が入った。
「ご注文のエイが今日入りました!」
そうして我が家にやってきたのがこちら。
salt tank6
ブルースポット・スティングレイ
salt tank7
我が家にやって来たばかりの頃は、
恥ずかしそうに砂に潜ってばかりいたので、
出てきて泳ぎ回っている時には、人間側が気を使って
ドアの後ろから眼だけ出してのぞいたり、
抜き足差し足で近づいたりしていた。
が、今ではすっかり慣れて、
餌付けする長男の指の傍まで寄ってくるようになったらしい。
salt tank9
salt tank8
なかなか綺麗。