長男のバスケットボール1年目

2016年夏、なぜか突然興味をもって、
バスケットボールを始めた長男。
最初は一人で黙々とボールをドリブル、ハンドリング、
またランニングや筋トレなどの基礎トレーニングをやっていた。
その真剣さにほだされたのか、バスケットゴールがほしいといった時、
オスカーは二つ返事でOKしてくれた。
それから毎日、学校から戻るとゴールの所で
汗だくになるまでひたすらシュートしたり、走り回っている。

自営業の車屋には2人の整備工が務めてくれている。
その一人、ホゼはとても無口で、もう12年くらい働いてくれているのだが、
Hi! Bye! などの挨拶以外で交わした言葉は、本当に数えるほど。
プエルトリコ人で英語があまり得意でない、というだけでなく、
仕事も早いし、いつもすごい速さで歩いているので、
(オスカー大絶賛の働きぶり!)
私などにとっては、近寄りがたい雰囲気たっぷりなのだ。
そんな寡黙なホゼが、ある日1人でバスケットをする長男から
突然ボールを奪い、体当たりでマンツーマン対決を挑んできた。
ホゼは身長がかなり高く、屈強な大人だ。
もちろん長男は圧倒され、しかも本気で押されたり、
なぎ倒されたりで泥だらけになり、ふくれっ面で戻ってくることもあった。
しかし仕事が終わって疲れ切っているはずのホゼが
ちょくちょく相手になってくれたお陰で、
日を追うごとに長男の腕は上がっていった。
20点先取の試合で長男が勝ってしまうと、
More! とホゼが怒鳴り、また長男が30点に到達すると、
More! と掛け声がかかって、40点、50点・・・
「最後、ホゼは立てなくなってたよ!」
と満面の笑みで長男が戻って来るようになった。
(1ゴール1点でやっている試合である。
朝8時から昼休みも取らずに4時まで働いてから
ここまで動けるホゼ、すでに超人。)

中学校ではバスケットのチームがあるとのことで、
長男は入部したい一心で練習していたのだが、
15人定員の所になんと200人以上の生徒が入部を希望。
入部テスト当日は体育館を埋め尽くすほど群れており、
まだまだ初心者の長男はもちろん入部できなかった。
(後で知ったことだが、長男の通う中学は
ここ数年、毎年市内ナンバー1に輝いている強豪校だった!)

そこで初心者でも入れる市が運営するバスケットチームに入部。
年齢で分けられており、似たり寄ったりの体格の子供たちが10人。
そのうち女の子は1人。
アジア系は我が子1人。
白人も1人。
他はすべて黒人の男の子達だ。
やはりバスケットボールは黒人の少年達にとって人気のスポーツ。
NBAに入るのを夢見ている子も少なくないのだろう。
長男のチームメイト達も、バスケ経験者ばかりの様子。
小さい頃からストリートバスケットで鍛えられているのか、
パス回しもお手の物だし、何より思い切りがいい。
見ていてドキリとする様な体当たりプレーが多く、
跳躍力、瞬発力、どれをとっても長男がついて行けるのか・・・と
心配になるほどだ。
しかし、黙々と練習していた長男は、技術面ではなんと!
引けを取らないどころか、チームメイトよりも上手に
ボールを頭の周り、腰の周り、膝の周りなどでクルクル回したり、
両足の周りを8の字にヒュンヒュン回してる。
これには親の私がビックリ!

コーチになってくれたのは地元高校の教頭先生で、
その学校でバスケ部のアシスタント・コーチをしている黒人の男性。
自分も高校、大学とバスケをやっていた、との事で、
ボールさばきも上手いし、子供一人ひとりの個性や長所を見抜き、
的確なポジションをあてがって、一生懸命指導してくれた。
そしてコーチのお父さんも補助役として練習に参加してくれた。
このおじいちゃん、30年以上バスケのコーチをしているそう。
最初は動きに迷いがあった長男を、時にチームから引き離し、
別のゴールの下でマンツーマンレッスンをしてくれたり、
帰る前には長男を呼んで「次回までにこの練習をしておきなさい」と
個人的に課題を出してくれたりと、とにかく目にかけてくれた。
「あの子はいい子だ。よくいう事を聞く。素直ないい子だ。」
と、私にも何度も言ってくれた。

個性的で元気のいいチームメイトと約2か月半の間、
週2回の練習と、毎週土曜日の対外試合をやった。
近隣の小さな町まで遠征に出掛けるのも新鮮で、
子ども達より白熱する親たちの応援合戦も面白かったし、
試合ごとに負けても勝っても、尊い経験を重ねる長男は、
みるみる成長していくようだった。
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シーズンが終わった翌週末、父兄の企画でコーチを招いて、
公園でピザパーティーをした。
最後にコーチがメンバー一人ひとりにコメントをくれた。
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「このプレーヤーは誰より一生懸命で、練習でも試合でも、
来た時にはいつも準備万端、全力で臨んでいた。
チームが負けていたって平静、クールだ。
この先も同じ様に真面目に練習に励めば、
きっと明るい未来が待ってるに違いない!」
というのが長男への言葉。
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コーチと

きっとまた来年、バスケットのシーズンになれば、
ここにいる子供たちにも再会できるかもしれない。
皆、それぞれ魅力的で、ここには書き尽くせないくらい、
私自身の中にも強烈な印象を残してくれた子供たち。
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少年たちよ、大志を抱け!!
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