スタンピンアップのカード作り

去年の4月5月にナンシーのお家でカード作りをさせてもらった。
彼女の家にはありとあらゆるスタンプ・セットがあり、
この世の全ての色が網羅されているかと思うほどのカード用紙があり、
どのテーマにも対応できる模様のデコレーション用紙、
その他リボン、シール式デコ宝石などなど
引き出しの中にぎっしり詰まっている。

そんな私の師匠であるナンシーに、
「スタンピンアップ」の集会に誘ってもらった。
以前から話は聞いていたのだが、
正式なスタンプ・パーティーに参加するのは初めてだ。
スタンピンアップはスタンプや関連商品を販売して
今年で30周年を迎える大手メーカー。
ウェブサイトからデモンストレーター・キットを買い、
スタンプに興味のある仲間を集めてスタンプ・パーティーを開く。
会費の他に、仲間がスタンプやその他商品を注文してくれれば、
その売上によってボーナスやコミッションが
デモンストレーターに入るというシステムで、
これをビジネスにしている人もいるらしい。

デモンストレーターのバーブさん宅に着くと
常連のエリザベス、ルディ、ニックス、
ナンシーも含め、私より二回りほど上のマダム達が勢揃い。
そこに私ともう一人の新人・ジュディを加えた総勢7人のパーティーだった。
バーブさんが最初にカードの作り方をデモンストレーションし、
その後各自がカードを作る。
人数が多いので3人と3人に分かれて作業し、
合計4種類、8枚のカードを作った。

同じ道具を使い、同じ色の紙やインクを組み合わせて、
スタンプをポンッ!と押すのだから、
全部同じカードが並びそうなものだが、それでも個性が出る。
例えば黄色、青、赤の3色を順番に卵型の楕円に押して、
グラーデーションにする作業では、
淡いパステルカラーになる人もいれば、
原色に近い鮮やかな仕上がりになる人もいる。
Rainbow egg

スタンプを押した後に色鉛筆で色を付ける時にも
配色に個性が出るし、塗り方も様々。
Fold card
切り方と折り方で立体になるカードも今回初挑戦

私のグループにはナンシーと新人のジュディがいたのだが、
参加者の中でも一番個性的だったのがジュディだ。
彼女はバーブと先日クラフト展で出会ったばかり、
1時間も離れた街から車でやってきたそうだ。
他の参加者は全員白人のおばさまなのに対し、
彼女は30代(と思われる)の黒人女性。
たまたま私の隣に座ったので、二人でマイノリティーチームだったが、
彼女は体の大きさといい、大きな笑い声といい、なかなかの存在感。
カードを作り始めると
「あら?ちょっと上にスタンプしすぎたみたい」
と紙をひっくり返して裏に再度スタンプしてみたり、
表面に糊をベットリつけてから
「なんで形があわないのかしら?」と首をかしげていたので
「裏返しに糊をつけちゃったね」と私が言うと、
「バーブ!間違えたからもう一枚紙ちょうだい!」
と大声で呼びかけていた。
Kangaroo baby
このカードの緑色三角形に裏表逆に糊をつけたジュディ

さらにシール式のパールを数個あしらうカードを作っていると、
「わーお!ブリンブリンね!あたしはブリンブリン大好きよ!」
と、ひとしきり大興奮した後、
なにかゴゾゴゾやってるなぁ・・・とちら見すると、
カバンから大きなプラスチックケースを取り出している。
中にはどデカい宝石を模したシールや、
様々な色のきらびやかな飾り付け用ブリンブリンが。
「やっぱ紫がホットよねぇ、このブリンブリン付けたら
カードが一層素敵だわ!ワーオ!」
と独り言を言いながら、かなり時間をかけている。
そのせいで花に色を塗る時間が足りなくなっても
「家に色鉛筆があるから大丈夫!
今夜は一人塗り絵大会よー!イェーイ!」と、どこまでもポジティブ。
Flower hello
バーブの例に習えば右上に小さなバールを数個つけるだけ

私などは順番にスタンプを押すのに、
ナンシーから回ってくるスタンプを出来るだけ早く綺麗に押して、
次のジュディに回そう、と真面目にやっているのに、
「はい、あなたの番」とスタンプを渡しても
「オッケー!」と言いながら、まだブリンブリンを貼り付けている。
作業工程にも個性がでるなぁ、と内心苦笑しながら
私は真面目なアジア人気質を変えることは当然できず、
終わりの時間を気にしながら焦ったりしていたのであった。

午後1時から始めて終了したのは7時半。
予想以上に時間がかかってビックリしたが、
ナンシーは「いつものことよ」と笑っていた。
デモンストレーター役と同時に、
パーティーのホストとしてバーブさんが
飲み物やチーズ、チョコレートなどのスナックを準備してくれていた。
私はラズベリーティーをもらったけれど、
ワインを飲みながらカード作りしている人もいた。

帰り際に「スタンピンアップ・パーティーをホストしてみない?」と
バーブに声を掛けられた。
私はてっきりデモンストレーター役も務めなければ
いけないのだと誤解して、
「私、初心者だから…道具も持っていないし…」と呟くと
「ごめんなさい!説明が足りなかったわ。
あなたはお友達を集めて、場所とスナックを提供するだけよ。
道具は私が持っていくし、カード作りも全部、
私がデモンストレーターとして行くから心配ないわよ!」
とバーブが教えてくれた。
そういう事か…。
参加者の一人がまた5人の知人を誘えば、無限に輪が広がっていくわけだ。
うまくできたシステムだ。
やってみたいなぁ、とは思うけれど、時間とお金と…
まだ色々な足かせがある。
今回のパーティー・メンバーも仕事を退職した、と
言う人が何人もいたし、
スタンプ歴もだいぶ長いようだ。

しかし私の師匠・ナンシーが
スタンピンアップ歴20年とは驚いた。
初期の頃のインクの名前や、良かった商品の話題になり
「この間、電話で問い合わせたら
 「そんな商品、聞いたこともないです。
  何年スタンピンアップをご利用くださっているのですか?」
 って聞き返されちゃったわ!」
と言うナンシーを中心に大盛り上がりのマダム達を見ていて、
これはこれでアメリカン・カルチャーなのだな、と実感。

それにしても私達が7時半にお暇した時に、
まだブリンブリンを貼りながら
バーブに紫の美しさを語っていたジュディが思いやられる。
あの饒舌、まさかワインの飲み過ぎじゃあないだろうな…
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