おばあちゃん

10月2日の深夜、おばあちゃんが天国へ旅立った。
家族に看取られ、お通夜や告別式でも沢山の人に別れを惜しまれ、
霊柩車が通る道には人々が大勢立って、野送りしてくれたという。

「おら、世界で一番幸せらて」と、よく口にしたおばあちゃん。
喜びと感謝を常に忘れなかった彼女の人徳だろう。

80歳をすぎても自転車を乗り回し、
朝から夕方まで畑仕事をしていたおばあちゃん。
いつまでも元気で長生きしてくれるとばかり思っていたから、
もう会えないなんて、まるで実感がない。
海の彼方で暮らしているからなのだろう。
一緒に暮らしていた両親や末の弟は
おばあちゃんのいない家の中で、
日々、寂しさを感じるに違いない。

私は生まれてからの19年間、
祖父母、両親、姉弟4人と一つ屋根の下、
8人家族で育った。
賑やかな大家族の中でも、おばあちゃんは
絶妙なタイミングで冗談を言って笑わせたり、
私たちの話に、涙を流して大笑いしたり、
明るさの源の様な存在だった。

勝気で負けず嫌いな性格で、
県外の青空植木市に出店すると、
屋台を出しているヤクザと場所取り合戦をする勢いだった。
反面、人情深い人柄を慕われて、
遠方のお客さんから手紙が届いたりしていた。
桜並木の下でにこやかに、溌剌と花を売るおばあちゃん。
その姿を見るのが好きで、福島へ、山形へと、
くっついて行っては手伝った私だった。

飛行機の長旅を苦ともせず、空の上は最高だ、と言いながら、
アメリカにいる私を3度も訪ねてきてくれた。
私に子ども(おばあちゃんにとってはひ孫)が生まれてからは、
その一挙一動を讃え、成長過程を楽しみに見守ってくれた。
日本に里帰りすれば、長男と2人、
何時間も虫を追いかけ、
トカゲやカエルを素早く手づかみして、
長男の尊敬の眼差しを一身に浴びていた。

交通事故で足を骨折した時も、
回復するが早いか、野良仕事に戻ったおばあちゃん。
乳がんを2度克服し、
去年は脳梗塞の症状で入院したが、奇跡のように復活して退院した。

今年7月に入院して、突然に急性白血病と言い渡された時、
私も、家族も「おばあちゃんだったら克服できる」と、
どこかで期待していたと思う。
しかしおばあちゃん本人は、
「具合悪くなって、これで死ぬんかなぁ、と思ったけど、
不思議と怖くも、悲しもねかったなぁ。」
と病院のベッドの上で淡々と話してくれた。
しっかりしているおばあちゃんに、担当医は病名を告げた。
それでも最後まで希望を失わず、
「家に帰ったら、少しでも手伝いできればいいが。
飯番くらいはできるろ」と話していたそうだ。

最愛の伴侶であったおじいちゃんは
12年前に天国に逝ってしまったので、
今頃は飛行機よりももっと高い空の上の、
見晴らし最高の場所で、
再会を果たして喜んでいるに違いない。

おばあちゃんは一生を全力で、悔いなど全く残さずに
強く明るく生き切った。
そのせいか、死を嘆き悲しむ、というよりは、
あぁ、素晴らしい人生だったなぁ、
一分一秒たりとも、無駄にしなかったなぁ、
と、いう気分でいっぱいだ。
おばあちゃん自身もそう感じていると思う。

存在感の大きかったおばあちゃんがいなくなったと思うと、
残された者は寂しく、心細い。
けれど見上げた空の青さや、
昇ってくる太陽の暁や、
自然の美しさを目の当たりにする度に、
おばあちゃんの笑顔がまぶたに浮かぶ。
あちらこちらに、おばあちゃんを感じる。

そして自分の中の、
おばあちゃんに良く似た部分を見つけると、
あぁ、あの血が脈々と流れているんだなぁ、と
なんだか心強く感じられる。

なにより伝えたいのは「ありがとう」という言葉。
今までも、そしてこれからも。
おばあちゃんと喜びを分かち合いながら、
精一杯、彼女の様に人生を謳歌したいと思う。
Comments

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お悔やみ申し上げます。
素敵なおばあちゃんだったのですね。
みどりさんの文面から愛情がたくさん感じられます。
みどりさんの感情の豊かさはきっとおばあちゃん譲りですね。
本当にLive life to the fullestです。

skmさん

コメント、ありがとうございます。

Live life to the fullest
まさにその通りです。
本当に愛情溢れるパワフルなおばあちゃんでした。
私なんてまだまだです。
85歳までにはおばあちゃんレベルになれるかなぁ。

こんにちは^^

おばあちゃま旅立ってしまったんですね。。
お悔やみ申し上げます<(_ _*)>

父とも元気になっておうちに帰れると良いねーって話していました。
身近な人が旅立ってしまうのは本当に寂しいですよね。遠くにいると尚更その想いも強いでしょうね。
産まれる事と逝ってしまう事は誰にも止められないと良く言うけれどわかっていても嫌ですよね。
自分が子として居られる場所は本当に貴重だなーと最近思います。
私には新潟といえば賑やかなイメージが凄くあります。幼い頃みんなパワフルーって思ったですよ。
皆さん交代で泊り込んでいたと翠ちゃんのお母さんから聞いて幸せなおばあちゃまって思いました^^
きっと今もアメリカと日本をみどりちゃんに会いに何度も来てるねきっと♪

この記事を読んでいて思ったのだけど翠ちゃんおばあちゃま似なのでは?なーんて思ったのは私だけではないと思うな~♪お会いしてみたかったです。

今日はメールしにきたのだけど記事を拝見してコメントさせて頂きました^^
またメールさせていただきますが先日はお電話の事ありがとうございました<(_ _*)>
いつも翠ちゃんのお母さんとお話しさせて頂いて元気をたくさん頂いています。

みどりちゃんがこちらに来る時私もその時期に合わせて新潟に遊びに行きたいナーって思います^^

お子さん二人とも大きくなったねー♪牛乳見ると思い出すんですよ^^

こちらは寒くなってきましたがフロリダはどおですか?

 

mikkeさん

遠く離れた場所に住んでいると、毎日顔を見ることも出来ず、
里帰りの終わりには必ず「ばいばーい」と言って、
別れには慣れているはずなのですが、やっぱり天国に行ってしまったとなると違いますね。
時々、ふっと寂しくなったりしますが、いい思い出ばかりが次々と浮かぶので、最後はおばあちゃんに笑顔にさせられて元気になりますよ。

次回新潟に戻るときには、ぜひMikkeさんも来て下さい!
おじさんも一緒にどうでしょう!?

健康で日々当たり前の生活ができるって、かけがえのないことですね。
改めてそう思います。

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